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教諭

平成31年1月1日 願譽唯眞

 私たちの浄土宗は、5年後に開宗850年の記念すべき時を迎えます。
 開宗にあたって宗祖法然上人は、
 我、浄土宗を立つる心は、凡夫の報土に生まるることを、示さむためなり。
と、愚かな私たちでも極楽浄土に往き生まれることが出来るという教えを弘めるために浄土宗の立教を宣言されました。
 それまでの我が国の佛教は、自らの修行によって佛となる教えであり、争乱や天災地変や飢饉の続く世の中で、苦しみから逃れ、すべての人が等しく救われていく道は閉ざされていました。法然上人ご自身も、また愚者の身であるとされ、万人が救われる教えを求め、やがて阿弥陀佛の本願により往生する浄土門の教えにお出会いになられました。
 阿弥陀佛はすべての人を救わんとして誓願を立てられ、その願を成就されて西方極楽浄土の佛国をお建てになられました。その国は、この世において佛となることのできない私たちが、なんの煩いもなく阿弥陀佛の教えを聞き佛道修行が出来、やがて佛となっていく処であります。更に阿弥陀佛は平生に慈悲の光りをもって私たちを照らして下され、命の尽きる時には、御自ら私たちを迎えとって下さるみ佛でもあります。
 法然上人は、「受け難い人間として生を受け、遇い難い本願にめぐり合い、起こし難い求道の心を起こして、離れ難い輪廻の境涯を離れ、生まれ難い浄土に往生することは悦びの中の悦びである」とされ、阿弥陀佛の本願に遇うことを天に仰ぎ地に伏して悦びなさいと仰せになっておられます。
 開宗850年を迎えるにあたり、浄土宗では「お念佛からはじまる幸せ」を提唱しております。しあわせは、めぐり合わせの意味でもあります。 私たちや先人の方々が、どのような縁によって阿弥陀佛のお救いと法然上人のみ教えにめぐり遇うことが出来たかを思い巡らし、深い帰依の心をもって称名念佛の日暮らしを続けてまいりましょう。
合 掌
平成31年1月1日

浄土門主 願譽唯眞