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教諭

平成19年4月1日 仁誉俊映

法然上人の芳触の一端を伺うに、上人は日本の仏教を指導者の仏教より万民救済の仏教に大きく転換されました。それは阿弥陀仏の万民平等救済の大悲が称名念仏の一法一行に誓約されていることをさとられ、新しく浄土宗を開創されたことです。
上人が説かれる念仏の一法一行による浄土往生の教えは、世の戦乱と天災のために苦悩の中に在った多くの人びとの心に救いの光を与えました。
しかし反面、旧仏教の南都北嶺の仏教者より厳しい批判と弾圧をうけ、晩年は四国へ流罪となり、死後は墓所が破壊されるごとき迫害をうけられました。されど念仏による「死生ともに煩いない」生涯のあることをあかされた教えは広く伝わり、多くの人びとを安堵した生涯に導いたのであります。
法然上人八百年大遠忌を真近にひかえた今、私達は幸いにも人間として生をうけ、上人の念仏の教えによって「死生ともに煩いない」日々を送らせて頂ける幸せを喜ぶとともに、この教えをひろく人びとに伝えることを願うものであります。

合掌

平成19年4月1日
浄土門主 仁誉俊映