2、仏教、浄土教に対する理解

 日本人は一般的にいって宗教に関心薄く、「苦しい時の神頼み」的な仏や神しか考えていない。したがって、仏教の教え、浄土の教説に対して無理解であるということができる。しかし、一面現代知識人の間には仏教の思想に対する関心が高まり、これに関する多くの書物が出版せられている。また、テレビ・ラジオ等による仏教の文化財に関する解説も行われている。したがって、寺院住職および布教師は、念仏の信仰涵養のためばかりでなく、仏教並びに浄土教の教説に対する理解を深めるために、経典(阿弥陀経、般若心経等)や宗書(選択集、一枚起請文等)の講述を盛んにする要がある。これまた、仏教に対する認識を新たにする一方法と考える。

(昭和59年度 浄土宗布教必携より)