われらはこれ烏帽子もきざる男なり。
(『聖光上人伝説の詞』)
「この念仏する人をにくみそしる人をも、にくみそしることあるべからず。あはれみをなし、かなしむこころをもつべし」とこそ、聖人(法然)は仰せごとありしか。憎しみの連鎖を、意志を持って断ち切るべしと弟子に語る法然上人の姿である。
(『末灯鈔』第二通「笠間の念仏者の疑ひとはれたる事」、浄土真宗聖典註釈版七四八)
実にこの世においては、怨みに報いるに怨みをもってしたならば、付記
ついに怨みの息 むことがない。
怨みをすててこそ息 む。
これは永遠の真理である。
(中村元訳『ブッダの真理の言葉 ダンマパダ』第五偈 岩波文庫)