五、終わりにあたって
檀信徒の教化については、各々のお寺でそれぞれの地域、それぞれの立場において取り組まれておられることと思います。
それぞれのお寺は、地域にとって、檀信徒にとって、「生きた寺」となっていかなければなりません。
「生きた寺づくり」とは檀信徒と共に作り上げていくものであり、檀信徒をぬきにして「生きた寺づくり」はありえません。そしてまたそれは法然上人のお念仏の教えをひろめていくということであり、「いま、お念仏の中に」檀信徒と共に歩んでいく寺を作っていくということであります。
五重相伝は、浄土宗に連綿と伝えられている教化の根幹を成すものであります。一カ寺だけでは様々な問題がありなかなか出来得ないことを、教化団という組織の力を傾ければ様々なことを成し遂げることが出来る、大きな教化の実を挙げることが出来る、五重相伝に対する静岡教区の取り組みはそのお手伝いの一つであります。
平成二十三年法然上人八百年大遠忌に向けて、これからも教区内寺院における「生きた寺づくり」に対して、様々な「お手伝い」への取り組みを続けていく必要を痛切に感じます。