懺悔道場の大要
懺悔道場は、書院式から始まり本堂式で終わりとなる。
一、書院式の次第
書院において、導師上人より懺悔道場に入る心得を簡潔に述べられ、次に右脇の上人が『浄土宗安心相承制誡』の五ケ条を拝読。続いて左脇の上人が、その五ケ条の説明をして周知させる。(あるいは『東照神君御遺誓』を拝読することもある)そしてそれを守る決意を血判させて書院式は終わり、本堂式へと続いていく。
二、本堂式の次第
書院の廊下で、受者は塗香、触香して、点灯した一本の線香をもらい、寺院方の手引きによって、暗闇の本堂に導かれ、本尊前で鉦鈷を三つ打ち、寺院方の手引きによって暗闇の中に着座する。このようにして受者全員が着座したところで、正面より暗夜説法が始まる。その内容は、この懺悔道場の意味と懺悔反省を促し、称名念仏による罪障消滅を説く。その称名念仏の切十念で、本堂内は点灯されて光明道場となる。続いてこの暗説者と入れ替わって、導師・両脇師が内陣正面に入堂。『十悪懺悔文』を拝読すると共に、一悪ごとに受者は五体投地の三唱一礼して、懺悔礼拝をするのである。
この導師の『十悪懺悔文』の拝読が終わると共に、受者一同の十礼懺悔も終わって、光明文より送仏偈・十念・退堂で本堂式は終る。
(平成14年度 浄土宗布教羅針盤 勧誠編「行」より)