四、日本国憲法の信教の自由

 ポツダム宣言は国家神道体制下の思想統制を重視し、その11条において宗教の自由を含む基本的人権の尊重を明示した。昭和二十年の「神道指令」では、国家とあらゆる宗教の分離を目的として、特に神社の分離を明確に指令した。さらに翌年のいわゆる天皇の「人間宣言」の詔書によって、政教分離の地ならしができた。

 第二章の冒頭に第97条を引用し基本的人権の歴史的由来を示したが、第11条では「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる」として国家に先立つ自然権であることを宣言している。そこから特に信教の自由について詳細な規定を定めた。大きくは、信教の自由の保障と国家と宗教の分離の二つである。それらに関する条文は、次の通りである。

(平成8年度 浄土宗布教・教化指針より)